創業100余年の伝統技術を守り、羅紗切り鋏一種類のみを作り続ける、三代目長太郎を継いだ裁鋏作りの達人である。日本刀の製法・技術を基に作られる長太郎の裁鋏は、軟鉄を1000度近くに熱し、金槌で打つ作業を幾度も繰り返し、作られる。「鉄は熱してから10～30秒が命、鉄の温度は眼で見て判断する」と語る達人は、「作業を始めると集中してしまい、休む事を忘れてしまうんです。」と妥協を許さない物作りへの姿勢を穏やかな笑顔で語る。